島キャン実施レポート

喜界島の「あたりまえ」を発信するお仕事

2017年夏 喜界島
喜界島サンゴ礁科学研究所
2017年8月16日~8月29日
立命館アジア太平洋大学/アジア太平洋学部  緒形 優
喜界島にあるサンゴ礁科学研究所で2週間サンゴについて学びながら喜界島についても知りました。
喜界島の海洋にかかわる学術施設としてできること

喜界島サンゴ礁科学研究所では主に研究所に併設しているカフェの運営を行っていました。研究所は3年前にできたものですが、カフェは今年の6月から運営しています。カフェは気軽に多くの方が研究所に訪れやすくなるようにという思いを込めて作られ、メニューには研究所に関係のある北海道、ハワイの食事が並んでいる。研究所に来る方は観光客から地元の子供まで様々でした。観光の方は喜界島がサンゴ礁の隆起によってできた島であることを説明するととても興味深そうにしてくださりながら研究所内のミュージアムを見学されていました。また、研究所ではシュノーケリングのガイドも行っており、ただ見るだけでなく自分で何を見たのかを書きながら学びにつなげる仕組みになっていました。研究所は、観光客の方への説明だけでなく喜界島の人にサンゴ礁によってできた島についてやサンゴ礁に住み着く海洋生物について知るための場所として機能し、科学教育の場となっている。

高齢者の足となる島バス

私が喜界島空港に着き、就業先の喜界島サンゴ礁科学研究所に行くために空港前から島のバスを利用しようとしました。まだ喜界島の土地勘が無い私にとってどのバスに乗ればいいのか分からず、バスの運転手の方が空港バス停からはもう就業先行のバスが出ていないことを伺い、営業所を出発するバスに乗せてもらいました。島のバスは手を上げればどこでも乗り降りすることが出来るシステムでした。バスに乗る人は基本的にご高齢の方でバスの中は運転手の方も含めてにぎやかな交流場となっていました。普段私が」利用しているようなバスの雰囲気とは全く異なっており新鮮でありながらとても楽しい時間でした。就業中も研究所からお店の多い湾へと向かう際に利用した際も高齢者の方が7人ほどいらっしゃりすべての方が病院の前で降りました。喜界島に住む多くの方は自家用車をもって移動をしますが、運転することのできない高齢者の方にとってこのバスが足となっているんだと感じました。

「あたりまえ」が当たり前じゃないこと

私は神奈川県の出身でサンゴ礁はテレビの中だけの世界で、サンゴに関する知識といっても学校で誰もが習うような「暖かくてきれいな浅瀬」に住むということだけでした。そんな私が科学研究所で就業した理由は、サンゴを観光資源として各地に発信することで地域の活性化につながるのではないかと考えたからです。実際に行ってみて驚いたことは喜界島が本当にサンゴの島だということです。約10万年以上前に隆起によって誕生した喜界島はサンゴ礁の段丘によって出来上がった島で、このようにサンゴ礁によって出来ている島というのは世界でも3つだけだそうです。私は浜辺にサンゴが落ちていることだけでも驚きでしたが、喜界島に住む人にとってはこれが「あたりまえ」のこと。喜界島には様々な場所に観光資源が眠っていると感じました。それと同時に喜界島の方にこそ研究所に足を運んでサンゴ礁について知り、喜界島がすごい場所であることを島からも発信してほしいし私も喜界島の情報をこれからも発信していきたいと思います。