島キャン実施レポート

私が帰る場所

2019年夏 喜界島
ダイビングショップBEGLAD
9/12-25
甲南女子大学人間科学部生活環境学科  なこどん
島の人々の暖かさに感動
島ならではの働き方
初めてお客様と一緒に潜った時

奄美大島のお隣の喜界島で2週間過ごさせていただきました。喜界島はサンゴ礁が何万年も前から隆起してできた小さな島です。正直なところ、島キャンで行くまで喜界島という名前すら知りませんでした。どんなところで何があってどんな人がいるのか、ほぼ知らぬまま飛行機に乗り、旅立ちました。

就業先は「ダイビングショップBEGLAD」というところで、オーナーさんお一人でダイビングショップと電気屋さんを経営しています。他の島の方達のお話を聞くと、車屋さんで働きながら畑でゴマを育てている方や、郵便局で働きながら畑を耕している方など、皆さん仕事の掛け持ちをしていらっしゃいました。そこで島の特色を感じました。

私たちの主な仕事内容は、ダイビングの時にオーナーさんのサポートや、お店の掃除、草むしり、PR用の看板作り、「beach clean」の参加などでした。ダイビングを始めておこなうお客様は、楽しみの他に不安や恐怖心なども思っている方がたくさんいらっしゃいました。オーナーさんは、潜り方や耳抜きの仕方、お客様の様子を見てから行き先、スピードを判断されます。私はそのサポートとして、後ろから何かあった時にオーナーに伝える、お客様の手助け、安心できるような声かけを意識して働きました。お客様に「楽しかった。島一番の思い出」と言ってもらった時は、ダイビングの魅力が伝わったことに嬉しさと感動を感じました。

もっといろんな人にダイビングの素晴らしさを知ってもらって、異空間体験をしてもらいたいと思いました。

観光公害について
島の人たちと力を合わせてbeach cleanした時

島に到着してすぐに車に乗り、オーナーさんのお友達にご挨拶をしながら、島を一周しました。

どの島の人たちも突然内地からきた私たちを温かく迎えてくれました。「どこからきたの?」「いつまでいるの?」「BBQしようか!」など声をかけてくださり、私たちを歓迎してくれました。2週間の間でたくさんの人に出会い、お話を聞かせてもらいました。島のこと、産業のこと、観光のこと、政治のこと、どの話も今の自分の生活を改めて考えさせるようなためになる話ばかりでした。その中でも1番印象的で今でも考えていることは「観光公害」のことです。

観光公害とは、島の受け入れ態勢が整っていなかったり、受け入れられる観光客の数を大幅に上回る人が島に訪れ、手が回らずゴミが増えたり島の方達の負担になるということだ。たくさんの人に島のことを知ってもらい、観光業を盛んにさせて収入を増やすことも生活する上でひとつの案なのかもしれないが、島の方達の負担になり本来の島の姿ではなくなってしまっているのではないかと考えていました。私が行った喜界島はまだそこまで観光地化されておらず、一年に何回か帰ってくるような観光客がいるだけだそうだ。観光業で収入を得るのではなく、農業や特産物を加工したりなど工夫をして暮らしている方がたくさんいました。目立つ観光地は多くはないけれど、なーんにもないただ綺麗な海と青い空、温かい島の人たちがいる喜界島が私は大好きになりました。

地元の他に新たに「帰る場所」ができた気がします。観光公害にも荒らされず、今の素敵な島が保たれればいいなと心から思います。

ダイビングの魅力
透明度抜群!最高の世界

2週間の島キャン生活で、たくさん海に潜らせてもらい、もっともっとたくさんの人にダイビングの魅力を伝えて、海の綺麗さや素晴らしさを知ってもらいたいという気持ちになりしました。 

喜界島のダイビングポイントの中で1番オススメなのが「花良治」です。なぜおすすめなのかというと、地形にあります。喜界島はサンゴでできた島なのでたくさんのサンゴの化石や、今もなお生きているサンゴ礁がポイントの入り口の方に多く見られます。サンゴだけ見ていても楽しめます。さらにサンゴ礁やイソギンチャクに集まる様々な種類の魚も見所です。すごく人懐こい魚たちばかりです。ずーっとずーっと進んでいくと、「ケラジホール」という洞窟のような潜り抜ける穴があったり、急に深度が深くなる場所があります。そこでは、視界がずっと広がり岩もサンゴもない広い異世界が広がります。その景色を見ると自分がちっぽけに感じ、悩み事も忘れ、海の世界に自分は居て、ここにきた人しか見られない世界を見ていると思うと、心がゾクゾクします。

喜界島でしか見られない素晴らしい世界が広がっています。このような体験をもっともっといろんな人に知ってもらって、魅力を感じてもらいたいです。

海の下の世界
たくさんの魚っ🐟
キラキラ輝く星