島キャン実施レポート

オンリーワンの島暮らし

2019年夏 徳之島
アグリ徳之島
8/28~9/12
法政大学 キャリアデザイン学部  松尾 勇希
想定外の連続!
準備の大切さ
じゃがいも畑。一面雑草ですが、ここが収穫期になると様変わりします。

このアグリ徳之島さんに就業しての2週間は想定内のことは一つもなかったような気がします(笑)。初日から想定外でした。農業をすると意気込んでいながら迎えた初日。「じゃあ初めは草むしりだね」と言われ、体力には自信があるから大丈夫と思っていた自分は一瞬で打ち砕かれました。つなぎに着替えて草むしりをしましたが、汗が止まらない止まらない。1時間もしないうちに休憩。炎天下での作業の大変さには驚かされました。

長野さん(事業主)はじゃがいもを中心におこなっており、この季節は農閑期。収穫期は2月~3月。実り多き収穫期を迎えるためには農閑期に収穫期の準備をしなければなりません。土の養分が雑草たちに取られないように、とにかく夏場は雑草を抜いていきます。

また、もう一つの仕事が肥料の配達。徳之島イチの繁華街、亀津の港より肥料を受け取り、農家さんより注文があると、各農家にトラックで配達しにいきます。現場についてからが大変でした。一袋20キロの肥料を指定の場所に置くために手作業で運び込む。持ち上げるたびに肩と腰にずっしりと重さがきます。この肥料は作物の成長のためにはなくてはならないもの。やはり準備段階があってこそおいしい作物が育つのだと感じました。

自分達が当たり前に食している食べ物は当然、誰か作り手がいて成り立っています。今まではただ食べているだけですが、そこにどんな苦労があって出来上がっているのか、生産者の立場を2週間を通して体感しました。おかげさまで帰ってきた後の食事への考え方が変わりました。

第2の故郷「徳之島」
徳之島一の繁華街、亀津へと向かう農道。サトウキビ畑と海と太陽がよくマッチします。

大学生になって、時間を作っては、日本全国を旅していた自分でしたが、見ず知らずの土地で2週間一人で暮らすということは初体験でした。正直、徳之島に関しては日本地図で場所はわかるものの、どんなところなのか島キャンで行くと決まるまで知りませんでした。いざ着いてみると、島の人はとにかく親切にもてなしてくれました。長野さんの同級生が集まるBBQに参加してもすぐ打ち解けて、色んな話で盛り上がったり、島のフルーツ農家さんにお世話になったときは頑張ったお礼にとキーツマンゴーを一つ。「ちなみにこれは東京じゃ万行くかなー」と伝えられ、驚きました。また休日の際に数回いったお店でも顔を覚えてくださり、ご馳走いただいた時もありました。

この2週間で一人暮らしをしていたものの、特別寂しいと感じることはなく、様々な人に声をかけてもらったり、常に繋がりを感じられました。島の人に支えてもらって2週間過ごしたといっても過言ではないです。もう一度徳之島に戻りたいです!!

島の繋がりの濃さ
長野さんの同級生の日本舞踊公演のお手伝い。まさか島に来てこんなことをするとは思いませんでした!

農業をしつつ、長野さんの繋がりから数多くの経験をさせてもらいました。フルーツ農家さんへの就業・長野さん新居のリフォーム手伝い・日本舞踊公演の手伝い。この2週間でやった仕事は多岐にわたります。一番大きな人生経験は日本舞踊公演の手伝いでした。島での生活に慣れてきたある日、「同級生が島に帰ってきて日本舞踊公演するから手伝いお願いしてもいい?」と言われたときはびっくりしました。同級生が日本舞踊の家元だそうで、今回凱旋公演がおこなわれるとのことでした。気づいたら、舞台の大道具を手伝うことになり、プロの大道具さんと共に、準備日・当日を過ごし、裏方として舞台を支えました。

また、口上の際の呼び出しや、演目中でのお客様へのご縁をまくための「5円」まきもお手伝いさせていただきました。全体を通してプロの方々を見ていると、演者もそうですが、裏方の照明・音響・大道具どれ一つ崩れても成立しません。呼吸を合わせるように舞台が進んでいくイメージです。仕事をするってこういうことなんだなとヒシヒシと感じました。

ちなみに徳之島公演だけでなく、奄美大島公演もありお供させていただきました!まさか島外に出て仕事をするとは思いもしませんでした。今になってもびっくりします。

島での相棒。この自転車で空港・繁華街までひとっ走り。2週間での走行距離は100キロ近く。(笑)
農作業休憩中で軽食。左はドラゴンフルーツ。右は沖永良部島のかまぼこ。長野さんの奥様が出してくれました。美味しかった!
島キャン生共通の休日での一コマ。徳之島名物の闘牛。なんとこんなに大きくても子供なのだとか。