島キャン実施レポート

初めての島生活

2019年夏 喜界島
南村製糖
8/19~8/29
立教大学/コミュニティ福祉学部  木内あこ
人生観が変わった9日間
農家さんって、スゴイ
南村製糖のマンゴーは一回食べてみてほしい。

 島に行ってみたいし、きっと農業なんて一生やらないだろうから、という今思うととても軽い理由で参加した島キャン。いざやってみると農業って体力は削れるし、服は汚れるし、虫はいるしでかなりキツイ、、!!キツイし虫に刺されるけど、でも農業はそれ以上にやりがいが大きくて楽しかった!

 まず農業の何が辛いかというと朝早く起きるのが辛い。就業開始時間は8時でかなり遅くに設定いただいたと思うけれど、不摂生な日常を送っていた自分にとってはかなり大変だった。なんとか起きた後は南村さんのトラックの荷台に乗らせてもらってマンゴーがあるハウスや、サーターアンダギーや黒糖を作っている工場に連れて行ってもらう。やることはその日によって変わり、マンゴーの木の剪定をしたり、収穫後の後片付け、草むしりなど。ビニールハウスの中はとにかく暑くて、いるだけで汗が出てくる。一生分の汗をあそこでかいたんじゃないかな。あとたまにすごく大きいバッタとかが急に出てきて、それもすごく怖い。いつもなら飽きてしまってすぐに携帯を見始めてしまうけど、流れてくるラジオを聴きながら作業をしていたあの時間だけは何故だかすごく没頭できて、普段の生活の中で何かをすごく集中してやることなんてあまり無くなっていた自分にとっては、とても好きな時間だった。疲れてきたなあと思う頃にいつも、南村さんの奥様が飲み物やお菓子を持って来てくれて、疲れている時に飲むポカリや果物は本当に美味しかった。

 農業は朝は早いし普段の作業は繰り返しのものが大半だし、なかなか成果というものが見えづらいものだと思う。それでも作物の形や色がすごくいいものを収穫できたり、食べてくれた人が「美味しい!」と言ってくれているのを見た時は本当に嬉しかった。短い期間しかやらなかった私でもこう感じられるのだから、きっともっと大きなやりがいを農家さんたちは感じているのだと思う。また南村さんの作業は一つ一つが全て手作業で、毎日毎日どうやったら美味しいものを作れるのか真摯に向き合っていた。普段何気なく食べてるものは、こういう農家の方々の努力があるからなんだと思った。きっと島キャンに参加していなかったら農業の楽しさを知ることも、食べ物のありがたさを実感することもなかったと思う。本当に得難い経験をすることができた。

喜界島のことをもっと知ってほしい!
SABANI(サバニ)という喜界島のバーで。島の踊りを見せて貰った後、バーにいる人たちとたくさん話して最後に写真を撮ってもらいました。

【喜界島の素敵なところ!!!】

・空(特に夕焼け)、海が本当に綺麗。いつまで見ていても飽きない。どのビーチも綺麗だけど小野津のビーチが自分の中で一番綺麗だと思う。是非行ってほしい。星空も、本州で見るより俄然綺麗。道路に寝っ転がって見るのがオススメ。

・車を20〜25分走らせれば島の反対へ行けるくらいのコンパクトさ。高い建物が無いので景色がひらけていて、サトウキビ畑、空、海のコントラストが本当に綺麗。

・意外と何でもある。コンビニもスーパーもあるので欲しいものは何でも買えた。

・何より人があたたかい!喜界島だけでなく、島にいえることだと思うけれど本当に島の人がよく助けてくれたり、話しかけてくれたりする。私たちが住まわせて頂いていた家に、喜界島育ちで今は本州に住んでいる兄妹も一緒に住んでいたけれど、余った食材をくれたり、島の話をたくさんしてくださった。夕飯を食べにおいでよ!と誘って頂いたり、気軽に何かをくださったり、隣人でも家族のように接するのは都会にはない、島ならではの習慣だと思った。

【喜界島で気づいたこと】

行く前は島で生まれたらずっと島にいるのかなと思っていたけれど、ずっと島にいる人の方が少なく、本州に何年間か居て、定年などをきっかけに島に戻ってくる人が大半だった。喜界島は高校まであるけれど大学が無いので、進路をどうするのか、島に住んでいたらすごく悩むのだろうなと思った。

島キャンに参加してみて

 島に行ってみたいなあと漠然と思い参加してみた島キャンだったけれど、参加してみて本当に良かったと思う。農業をやりたいなとも思っていたけれど、日常で出会えないような人たちともたくさんお話することを目標にしていて、掲げていた目標は達成できたかなと思う。東京に住んでいたら見ることのできなかった景色や、出会えなかった人たち、体験できなかったことばかりだった。もともと自分は見ず知らずの人に自分から話しかけたり、思い切って行動に移してみることが苦手な方だった。でも島キャンに参加して、知らない人に思い切って話しかけても、意外と快く受け入れてくださり、話してみると自分の知らない人生を覗くことができたりするものだと気づけた。また島で自分から声をあげて釣りをやらせて貰ったのだが、やりたい!と自分が思えば大概のことはできたりするのだとも思った。こういう気づきは島キャンに参加して初めて思えたことで、これからの人生でも大切にしたいと思う。

 今回は喜界島に行って、たくさんの体験をすることができたけれど、今回の体験だけではまだ「島」とはどういうものかを知ることができただけかなと正直思う。もちろん喜界島のことを就業中にたくさん知ることができたと思うけれど、もっと踏み込んで知ることができたら良かったなと思った。

 今回の参加で島が大好きになったので、喜界島だけでなく、もっとたくさんの島に行ってみたいと思った。たくさんの島に行って、もっと多くの文化や人を知りたい。自分はこれからも東京に住むと思うけれど、社会人になっても喜界島や他の島とずっと関わり続けて行きたい。

小野津のビーチ。海の青がとても綺麗で、透明度もすごいので底にあるサンゴが見える。
お世話になった南村さんと、一緒に就業したあみちゃんと。
一本道で写真を撮るとすごく映える。