島キャン実施レポート

喜びの世界の島日記

2019年夏 喜界島
喜界島サンゴ礁科学研究所
8/15~8/28
日本大学芸術学部  ミシシッピ
サンゴの島でのできごと
島でのお仕事体験
サンゴカフェのオムカレー

今回、喜界島という場所の珊瑚を研究する施設で就業体験をした。

業務は主に、併設されているカフェでの仕事で、他には研究所に置かれている、海に潜るための機材の数を確認して記録したり、夏に研究所に研修をしに来た学生が利用した宿泊場所の掃除などがあった。
そして研究所には、サンゴや貝やサカナが展示されたミュージアムがあり、それらについて、お客さんに展示の説明ができるようにレクチャーをしてもらった。

私の就業していた期間は、ミュージアムとカフェを改装しようという話があり、ミュージアムの場所を移動させたり、展示内容を見やすく改善した。
そのための意見交換や自分のアイディアなど、どうしたらこの施設をもっとよくする事ができるか相談しながら進めていった。
こういった機会に、自分の意見が採用され、それが施設の変化に繋がっていくという経験は滅多にできるものではなく、とても貴重なものだと思う。
ただ、自分には博物館の展示の知識がほとんどなく、「どのようにしたらもっとよくなるか」を考案するのはとても難しい事だった。
それでも、職員の方は私にできることを任せてくれて、能力を活用しようとしてくれた。
私は芸術を専門に学んできていたので、施設のマップ作りや、ミュージアムのグッズの製作などに携わらせてもらった。

仕事は今まで学んできたことをすべて活用して、試行錯誤しながら周りの人と協力して進めていくのだということを学んだ。
そのために、分からない事を分からないままにしておかない事や、施設を利用する人の立場になって想像してみる事が大切だと感じた。

喜界島の人々と暮らし
大きなガジュマルの木

 喜界島は、奄美群島の一つであり奄美大島からはフェリーで2.5時間ほどの場所に位置している。

人口は7千人程で、56.93㎢の小さな島だ。
珊瑚が隆起してできた島にはビーチがたくさんあり、砂浜は珊瑚の砂特有の白色をしている。
島には小、中、高校はあるが大学はないので、進学する人は本土の方へ行く必要がある。
夏には集落ごとにお祭りがおこなわれ、J-POPや島唄などに合わせて踊られる八月踊りは恒例の行事のようだ。
祭りには若い人や子供達も多く、顔見知りの人も多い様子である。
2019年の今年は、旧盆と新盆の時期が被り、たくさんの人でにぎわった。

 喜界島には、観光客があまり多くはなかった。
私が勤務したサンゴ研究所のカフェにも、地元のお客さんが来ることが多く、里帰りしてきているという方も多い印象だった。
ただ、近くにスーパーなどがあるため、普段から利用するお客さんは少ないように思われる。
その点、港や空港のある街の方の居酒屋などは、夜地元の人で賑わうことも多いようである。

 観光の面では、有名なのがサトウキビの一本道で、辺り一面サトウキビ畑の景色が続く場所に、一本のまっすぐな道路が通っており、そこで写真を撮り、インスタグラムなどに上げるのが人気なようだ。
また夜には星がきれいに見えるので、百之台などの展望スポットに行って星空を堪能することもできる。
喜界島は、サンゴの研究者という立場の方にも重要な島として知られているため、海外からも大学の教授が来るなど、その地質的な価値の高さを窺うことができる。
実際に海に入っても、透き通った海中にたくさんのサンゴやサカナを見ることができる。

 小さな島ではあるけれど、広い海を持ち、人々が豊かな暮らしをしている島だという事がわかった。

喜界島グルメ
喜界島のおすし屋 大吉 のメニュー

 関東にはあまりない食文化として、喜界島はヤギを食べる文化がある。

 食べ方としてはやぎ刺し(お刺身)、やぎ汁、からじゅうりという内臓を使い野菜と炒めた料理がある。
喜界島のヤギは臭みが少ないといわれていて、居酒屋などにはよく置かれている。
実際に食べたヤギ寿司は、上にガーリックフライが散りばめられていてとても食べやすかった。
からじゅうりにはヤギ特有の臭みを感じたが、味付けは甘辛くおいしい。

 ヤギ料理は、地元の人も好みが分かれるという。
独特の歯ごたえや味わいが、はまる人にははまるようだ。

 喜界島ではヤギが時々道沿いにいるのを見ることができる。
島の人は、ヤギが雑草を食べに「出張」に来るのだと言っていた。
とてもおもしろかった。

亜熱帯の植物 ”モンパノキ” ゴーグルの曇り止めに。
ヤギのおすし
ふわり飛ぶオオゴマダラ