島キャン実施レポート

まんでぃ

2017年夏 加計呂麻島
明日の加計呂麻島プロジェクト
2017年8月30日~9月12日
駒澤大学法学部法律学科  神谷 陵志
もっと知って加計呂麻島
誰のために働くのか
言葉では伝えられない

“何のために働くのか”それは人それぞれだと思う。社会のため、誰かのため、自分のためなどいろいろな目的がある。表向きには社会のためと言いながら、内面では私利私欲を満たすためっていう人も多いと思う。しかし、加計呂麻島では違った。私が出会った人は皆、加計呂麻島を少しでもよくするために頑張っている。例えば、観光客誘致のために、ハブ捕りで得た収益で観光スポットを造っている人や飲食店のない集落に皆の憩いの場を設けるために立ち上がる人がいた。その人たちが語っていた言葉には共通点があった。それは、“笑顔”だ。訪れた人が笑顔になって帰ってくれたらそれだけで十分だと語っていた。私は考えさせられた。私利私欲を満たし自己満足な生活を送るのがいいのか、自分の事は必要最小限にとどめて誰かの笑顔のために働くのが良いのか・・・
加計呂麻島が教えてくれたのは、誰かの笑顔のために働くことだった。

集落ごとの魅力
来たらわかる美しさ

加計呂麻島の外海に面している秋徳集落には、かつてウミガメも産卵をするくらい綺麗な砂浜があり、海には珊瑚もたくさん生息していた。その珊瑚の下にはウニ、サザエ、伊勢エビなどがいて、素潜りで生計を立てる人がいるくらいたくさん採れたそうだ。しかし、その砂浜や珊瑚は今から約20年前に造られた桟橋の影響で数が激減した。
しかし、桟橋が無かった頃は台風や高波の時には、波が砂浜を越えて水が家の中まで入ってきたりすることがよくあったそうだ。このような水の被害から集落を守ろうと桟橋が造られた。集落の人に話を聞くと、桟橋があるのと無いのとでは被害の大きさが違い、桟橋を造って良かったと言っていた。
問題の海岸も集落の人達が、再びウミガメが産卵するような綺麗な海岸にするという強い気持ちで定期的に清掃を行っている。
自然から生活を守るために造った桟橋。今度は人が自然を守る番だ。

もっと人が多かったらな…
なんだかんだでバドミントン

島の子供達がするスポーツは、バドミントンなど人が少なくてもできるスポーツが多い。子供なら好きなスポーツが1つはある。しかし、そのスポーツが人数を必要とするスポーツの場合は、そのスポーツをするのを諦めるか、人数を少なくしたりルールを変えたりして“それっぽい”スポーツをするしかないのだ。
私が島で出会った中学生の少年は4月に神奈川県から引っ越してきた。少年は、小学生の頃野球をしていたが、島には野球チームが無く、今は何もしていない。
その少年とは集落でのBBQで出会い、BBQの後にキャッチボールをしながら野球の話をしたり学校の話をしたりして日が暮れるまで楽しんだ。島にはキャッチボールをする相手が少ないので、練習の相手は家の近くの壁が多いそうだ。
 また、ある中学校の体育祭に参加した時、唯一の3年生の男子生徒に本気で競い合う大切さを教えるために徒競走で勝負をした。
このように島では、当たり前の事が当たり前にすることができない。
 私は島キャンに参加しなければ、このような状況を知ることはできなかった。
このような現実や島の学校の良いところを伝え、いつか大人数でスポーツを楽しめる島になれば良いなと思っている。