島キャン実施レポート

「考える」と向き合えた時間

2019年夏 奄美大島
まちづくり奄美
8/17〜8/29
明治大学文学部  中島薫
街と人にもらった新たな価値観
"観光地"であり、みんなの"住む街"である
中心商店街である"ティダモール"

私は地元佐賀が大好きで、その活性化のために何か学びたいと思い、まちづくり奄美で就業しました。

この就業期間、「街」についてたくさんのことを教わり、考えさせられました。奄美大島は現在、観光としての注目が以前より高まっており、大型クルーズ船が来たり、世界自然遺産の登録地になろうとしています。島の住人じゃない私から見ると、はじめは凄く良いことだと思っていました。しかし、島の人から見れば、必ずしもそれが良いことだけではないと知りました。観光客が来ることに対する受け皿はできているのか。対応するための予算は大丈夫なのか。自然を守るための世界遺産のはずが、観光客がその自然にダメージを与えることもあるのではないか。人がたくさん来ることには、プラスの反面マイナスの部分もしっかり見つめなければならないということを教わりました。

このようなことを日々考えながら、建三さん(就業先の方)に与えられた課題、「街歩きマップ」の作成をしていました。しかし、私は地図がどうも苦手で(笑)もちろん課題なのでちゃんと完成はさせましたが、これとは別に、私にしかできないことがないか模索しました。そこで取り組んだのが、「名瀬商店街イメージUP大作戦!」というプレゼン!街のあり方についてたくさん考えた結果、客を呼び込むことよりも、来てくれた人が満足してくれる場所づくりに重点を置くべきではないかと考えました。名瀬商店街の良いところ悪いところ、すべきこと、活性化のためのイベントの企画などをパワーポイントにまとめてプレゼン。今後の"まちづくり奄美"の力に少しでもなれていたら嬉しいです。

与えられた課題も、自分でやりたいと思ってやった課題も、スタートは奄美大島のためでした。しかし、やり終えた結果、物事を多角的に考えられるようになり、自分の学びに繋がったと思います。

自分の住む場所に「唄」があるということ
商店街で三味線を触らせてもらっている様子

商店街を歩いていると、店の外に琴が置いてあったり、自衛隊の合奏団が演奏をしていたり。生の音楽が身近にあるって素敵だなと感じました。

中でも、やはり「島唄」。ある日、商店街に三味線の音と独特な節の歌声が響いていました。唄われている方に話しかけてみると、「あなたも弾いてみな!」と、お話を聞くのではなく三味線を持たされました(笑)自分で弾いてみるともちろん難しく、あんなに綺麗に弾きながら唄ってらっしゃるなんてすごいと魅了されました。何より、自由にのびのびと唄うことが当たり前のように受け入れられる環境、そこに集まったり、通る人が微笑んでいるという空気感。この島全体の暖かさがとても素敵だなと感じました。

休日には、この三味線の演奏をされる方のお家にお邪魔し、一曲弾けるようになるまで夢中になって練習をしました。

そこに住んでいて触れてきたからこそ、歌い継がなければいけない歌がある。すごく誇らしいことです。地元の民謡を習っていた私にとって、決して人ごとではないと思いました。

のびのび生きればいい!
街、空、海、山の景色を全部楽しめるおがみ山公園

奄美大島の滞在期間、自然と人に教わったことは「のびのび生きる」ということ。

私は自分の中で細かなルールをたくさん決めていたり、考えが凝り固まっていたりと、自分で自分を生きづらくしているなとよく感じていました。とは言っても、性格なのでなかなか直せず。。

しかし、奄美大島で約2週間過ごしたことで、もっと自由に考えたらいいんだということを身をもって実感しました。

島を車で移動していると、トンネルを越える前は晴れていたのに越えると雨が降り出したり、お散歩していたら急に大雨が降ってきたり。普段なら気持ちはブルーになってしまうのですが、奄美大島では日常過ぎてそれにいちいち沈んでいる間もなくて。天気に気持ちを左右されていたら疲れてしまうなと(笑)だったら降った時は降った時だと思えばいいし、傘を持っていなくても濡れることもちょっと楽しんでみたりしてもいいのかなと思いました。快晴の中キラキラした海を見に行ったり、満点の星空の下、魚を待ちながら釣り兼おしゃべりをしたり。毎日空を見るのが楽しくて、天気や自然に身を任せる環境が、私には居心地がよくのびのびとできました。

建三さんやその周りの方々にもいろんな考え方を教えてもらいました。建三さんとは毎日のように釣りに行きました。釣りが楽しいのはもちろんなのですが、建三さんと話す時間が私にはとても実のある時間でした。就活関係で悩んでいる私に対して、私には持っていない考え方をたくさん話してくださいました。人生を楽しくするのは自分の考え方だなと実感する毎日でした。

奥様方からも刺激をもらいました。その日はとても思い出深かったです。川にエビを取りに行き、それを夜の集まりで唐揚げに。自分で取った生き物を自分で食べるという体験は初めてで、何倍も美味しく感じました。集まった奥様方は、奄美にずっと住んでいる人から嫁いで来た人、さらには全然住んだことないけど友達がいるからということでこの数日だけ遊びに来ている人など。どんな人でも親しく受け入れてくれる奄美の人はやっぱり素敵です。環境が違う奥様方の話をたくさん聞き、ここでも新たな価値観をたくさん知れました。建三さんの奥様の「地元はいつでも戻っていい場所だから」という言葉がとても印象に残りました。

様々な経験をさせてもらい、人と話し、もっと色々な考え方を持っていいんだなと思えました。このインターンを終えてよく考えるのは、目の前に壁ができた時に、「島の人だったらどう考えるかな」ということ。そうすると、今と違う視点で目の前のことに向き合えるようになります。島の人に温かさと勇気をもらえる気がします。

川で取ったエビを唐揚げに!
第2タームのみんなで海を堪能しました!
みんなで集まって食べるのは何倍も美味しかったです!!