島キャン実施レポート

とーとぅがなし!与論島!

2019年夏 与論島
与論町役場 商工観光課
8/1~8/14
椙山女学園大学/人間関係学部  あんもも
3度目の与論島で、初めて見えたこと。
島人のための役場
2週間を振り返っての研修報告会をおこないました。島の方の前で島のことを発表するのはとても緊張しました。

私は島キャン以前にも2回、観光客として与論島に訪れたことがあります。そのときは百合ヶ浜やサザンクロスセンター、与論民俗村など主要な観光スポットを周って純粋に観光を楽しんだため、与論島の観光業がどんな組織によって支えられているのか、また島にどんな課題があるのか、などは考えもしませんでした。
前回の来島から約10年。島キャンを通して、「“観光地”と呼ばれる地域の仕事やそれを支える組織を知りたい」と思い、与論町役場 商工観光課を志望しました。
2週間の就業を通して感じたことは、与論町役場は言葉通り「島人のための役場」だということです。与論町の人口は5000人余り。私の地元の愛知県や都市圏は人口が多く、役所・役場と住民ひとりひとりが密接に関わっているという感じはほとんどしません。しかし与論町は、週報や、行事に関する資料を何十人分も直接家に行って配ったり、役場の人と町の人との間に仕事や役割を越えた繋がりがあったりして、「町」と「住民」の距離が近いと感じました。
また、私がイメージする役所・役場は年金関係や期日前投票のときしか行かないような固いイメージでした。しかし、与論町役場の職員をしている方の多くは与論町で生まれ育った方のため、町のどこに行っても人間関係が築かれていたり、馴染みがあったりと、まさに「島人のための役場」だなぁと思いました。
2週間の就業期間中、初日のハマガメ獲りから、一番力を入れたモデルコース作りまで、今までに経験したことのない仕事や補助にたくさん携わりました。先にも書いた「“観光地”と呼ばれる地域の仕事やそれを支える組織を知りたい」という目標を、2週間という短い期間で予想以上に達成することができたと思っています。また、観光客の立場で訪れたときには分からなかったことや見えていなかったことが、今回の島キャンでのさまざまな体験を通して体感することができたと思います。

与論献奉を通してできた繋がり
与論献奉セット(笑)。2週間のうち、休肝日は2日くらいだったような…(笑)。

与論島には、「与論献奉」と呼ばれる客人を迎える際の島独特の伝統儀式があります。まず「親」と呼ばれる方に、杯にお酒を注いでもらいます。もらった人は、自己紹介やその時の気持ちを述べてから飲み、飲んだあとは「とーとぅがなし」と与論の言葉で感謝の気持ちをあらわして杯を親に返します。それを親が全員に対して順番におこないます。最後に親以外の人が親にお酒を注いで(ご苦労杯)、親が飲み終わったら終了です。
与論献奉は多くの場合、「島有泉」という地酒(20度の黒糖焼酎)でおこなわれます。私は普段お酒をほとんど飲まないので、島キャンのキックオフミーティングで与論献奉のことを聞き、とても不安になりました(笑)。もちろんそれまで、20度のお酒なんて飲んだこともありませんでした。しかも与論献奉では、島有泉をロックかストレートで飲むのです。過去の自分が聞いたらびっくりです。2週間ほぼ毎日誘っていただき、飲む機会がありましたが、島の方と飲むお酒はとても美味しかったです。
与論献奉を通して、たくさんの島人と繋がることができました。島の居酒屋に行くと、必ずと言っていいほど、島キャン中に知り合った島人にお会いしました。その方がお連れの方を紹介してくださり、与論献奉をして繋がりが広がります。そういったことがほぼ毎日あり、与論での日々を重ねれば重ねるほど、島での繋がりがどんどん広がっていきました。
また、私が就業した商工観光課は、”茶花”という与論島の中でも特に栄えているエリアにあるため、夜だけでなく昼間もいろいろな方にばったりお会いすることが多くありました。そんなとき、一度しかお話ししていないような方まで「ももちゃん!」と声をかけてくださったり、その日の夜の予定を聞いてくださったりと、とても温かさを感じました。
普段お酒を飲まない私は、正直、島キャンで与論島に行くまで、お酒を飲みすぎることや酔っ払うことにあまり良い印象がありませんでした。しかし、与論献奉を通してたくさんの方と繋がりを持ったり、島の方々の昼間とのギャップを感じられたりと、いいことや楽しいことがたくさんありました。また、自分自身、思いのほかお酒に強いことが分かったことも、新しい発見となってよかったです(笑)。
最後に開いていただいた送別会では、2週間の成果として、商工観光課や観光協会の方の前で親をやらせていただきました。お世話になった皆さんや島キャン生を順番に周って感謝を伝えたり、ひとりひとりとじっくり話したりできましたし、親のやり方も褒めていただけたので、とても嬉しかったです。
与論献奉を通してできた繋がり、全てに感謝です。

与論島を知らない人に、島を一言で紹介するなら
「いってらっしゃい!」と見送ってくださった皆さん。この時の動画があるのですが、何度見ても胸がいっぱいになります。

今、与論島を知らない人に島のことを一言で紹介するなら、「海がすごく綺麗で、その海と同じくらい綺麗な心を持った人たちが住んでいる島だよ」と答えます。
言葉だけ見ると、なんだか大袈裟なように聞こえるかもしれませんが、2週間で見た、知った、吸収したたくさんの魅力を、「一言で!」と言われたら、私にはこれが1番しっくりきます。
まず、海が本当に綺麗です。本当に本当に綺麗です。島のどこの海岸も、島のどこから見える海も綺麗です。島に着いた日、同じ宿に泊まった島キャン生とある海岸に行き、その海の綺麗さに感動したのですが、あとで島の方がその海岸のことを「あそこは与論では1番汚いって言われてるよ」と教えてくださり、本当にびっくりしました。それくらい、非日常的な世界が広がっています。もう、地元の海で海水浴はできません(笑)。
そして先にも述べたとおり、与論島には、その海と同じくらい綺麗な心を持った人たちが住んでいます。私はこれまでの人生、たった2週間であんなにもたくさんの、綺麗な心を持った人に出会ったことはありません。
「人が宝」とは、よく言ったものだと思います。そしてこの言葉は、まさしく与論島のことだと思いました。与論島は人と人との距離が心理的にも物理的にも近く、例えるなら、島全体で家族みたいなイメージだと思いました。また、人間関係が幅広く、人との繋がりを大切にされていると感じました。
愛知に住んでいると、街ですれ違う人はみんな他人です。お互いに興味も関心もありません。肩がぶつかって舌打ちをされたり、知らない酔っぱらいに暴言を吐かれたりすることもあります。それに比べて、与論島は、島全体が本当にあたたかい場所でした。与論島から帰って約2週間が経ちますが、今すぐにでも与論に帰りたい気持ちでいっぱいです。
与論では島を出る人に対して、「さようなら」ではなく、「いってらっしゃい!」と見送ります。私も空港で「いってきます!」と言って島を出ました。「ただいま」と帰る場所ができたことをとても幸せに思うと同時に、胸を張ってまた与論に帰れるように、今回の滞在で得たものを生かし、これからの毎日を過ごしていきたいと強く思います。

だいすきな第1タームの仲間。この6人でサンゴ祭りのハーリー大会やパレードに出たことは一生の思い出です。
与論島名物もずくそば。そば粉は使用されていません。何度でも食べたくなる、優しい味でした。
かき氷で有名な「味咲」というお食事処。味を全制覇するために通いたい…(笑)。