島キャン実施レポート

島で過ごした「最後の夏」は、最高に「アツい夏」でした。

2017年夏 奄美大島
マングローブ公社
2017年8月2日~8月22日
筑波大学 人文・文化学群 日本語・日本文化学類  もりもり
大学4年の最後の夏休み、私は島で3週間のインターンに費やし、人生で一番アツい夏を過ごしました。
考える。自ら動く。
多いときは60人ほどのお客様に対してガイドを行いました。

私の就業先は、奄美大島の一大観光地であり、奄美の観光を背負っている責任を感じました。他の島キャン生よりやや長い3週間という就業期間のなかで意識した点は、「考えること」と、「能動性」です。
仕事をする場所が自然ということもあり、1日5回のツアーごとに潮の満ち引き、川の流れ、お客様の人数などを加味してガイドの動きやツアー内容が変わります。インターン生であっても1人のガイドとして自分で考えて判断し、お客様を先導することが求められました。また、ツアー前後に能動的にスタッフの方々に質問し、ツアー中に活かせるようにしました。
就業終盤には、メインガイドも経験させていただきました。すべての先導や判断、そしてマングローブの説明なども行いました。スタッフさんからは、「説明の仕方とかはいろんなスタッフのいいところを盗んでみな」と言われました。ここでも、自らスタッフさんの動きを見て学び、考えて自分の動きに繋げることが求められました。
次の4月から社会人となる身として、「はたらく」ことのキーワードを学べたことは非常に有意義でした。ここでの経験だけでなく、たくさんある反省点もこれからの人生に反映させていきたいです。

「結」の心と観光
島人の心に感動する毎日でした。

 奄美での3週間、なによりも島の方々のあたたかさに感動しました。就業先のスタッフの方々だけでなく、出会ったすべての島人が「島キャン生だから」ではなく「人として」私のことを受け入れてくださったように感じました。宿のオーナーさんのご親戚一同でのBBQに参加させていただいたり、お祭りの際に八月踊りに飛び入り参加させていただいたり。
 そのあたたかさ、そして奄美に伝わる「結」の心は就業の中でも感じました。特に印象的だったのは、バスに乗り遅れたお客様をホテルなどに送迎したことです。奄美は公共交通機関が十分でなく、特にマングローブパークにアクセスするバスは1時間に1本程度です。多くのお客様はレンタカーで来ますが、中にはバスでいらっしゃる方もいます。バスに乗り遅れたお客様に対し、スタッフさんからの指示で送迎を任されたことが何度かありました。これまで私が行った観光地で、スタッフ自らタクシー代わりになることはまず聞いたことがありません。産業に乏しい奄美にとって観光は一大産業であり、欠かせないものとなっています。決して押し売りではない真の「結」の心が観光客の心を引き付けるのではないかと感じました。

一生の縁
就業先、島人、島キャン生、たくさんの縁に大感謝です。

 島キャンを経て学んだことは数え切れません。しかし、私は何よりも島で出会った人との繋がりを今後も大切にしたいです。こんなに濃い3週間を過ごすことができたのは、就業先の方々をはじめとする島の方々、そして同時期に就業した島キャン生のみんなのおかげだと思います。
 私はこれまでの大学生活でサークル活動に精を出していたことや、大学の環境上、コミュニティが限定的であり、もっと広い世界に飛び出したいと思ったことも参加動機に1つでした。島での生活で多くの人に出会い、たくさんの場所に行き、時には深夜まで語り合い、そうすることで私自身刺激を受け、これからも頑張ろうという活力になりました。
 「最後の夏がインターンでよかったの?」と島にいる間に聞かれたことがあります。しかし、私は自信をもって「最後の夏が島キャンでよかった」と言えます。就業先の飲み会であるスタッフさんに人生で大事なのは「人間関係」と「経験」であると教わりましたが、この3週間はその2つが凝縮されていました。このような機会を与えてくださった事務局の方々、島で出会ったすべての方々、同期の島キャン生全員に本当に感謝しています。ありがとうございました。