島キャン実施レポート

島キャンを通じて感じたこと。

2017年夏 喜界島
喜界町商工会
2017年9月13日~9月26日
お茶の水女子大学/生活科学部  塩野 文子
もうひとつのホーム、喜界島にて。
多くのことを吸収できたインターン。
毎日早起きだったので見れた朝日の景色。笑

この2週間、喜界町商工会でお世話になり、はたらく上で必要な事を教えてもらいました。その中で印象的だったお話が3点あります。
一つは、仕事は相手(お客さん、取引先)がいて成り立つことだという事です。相手がどう考えるか、といった相手の立場に立ったやり取りが重要です。その中で、相手が求めていることと、自分が出来ることをすり合わせながら、Give and Takeの関係性を作ること。そうすれば、お互いにメリットのある長期的な関係を築け、仕事も上手くいくという事なんだと思います。

二つ目は、目的を見失わないという事です、目的という軸がブレたり、目的を達成するための手段を、最終的な生産物として納得してしまうと(=手段の目的化)うまくいかないという事です。一方で、手段は「これにするべき」と凝り固まる必要はなく、常に良い方向に改善する余地があるので、妥協せずに模索する必要がある。ガイド作りをしていて、修正は常に繰り返していたので、実感しました。

三つ目は、好きなことを大切にするという事です。「自分が好きだから」という自分から湧き出た意志・動機で行う事は、挫折せず、ずっと続けられるという事です。担当者の方は、自分(私)がこの2週間なにをしたいのか・どんなものを作りたいのかを常に考えてくれていたなと感じます。
他にも担当者の方から、パソコンの効率的な使い方を学びました。新しい事ばかりで、自分の足りない部分を認識できた良い機会だったと思いますし、これからの糧になる経験でした。

多くの繋がりに感謝する毎日。
盛り上がるライブ。

地域について書きたいことは、主に二つあります。二つに分けて記します。
一つ目は、島の中には、新しくあたたかい出会いがあちらこちらに転がっているという事です。
喜界島にいる間、印象的な出来事が何個かありました。
例えば、島を自転車で一周していたら、知り合いのAさんに出会い、Aさんが、「挨拶していけば」と、Bさんを紹介してくれて、そのBさんが飲み会を開いてくれることになって、その会でCさんDさんEさんFさん…と新しくて面白い人々と触れ合うことが出来たという事です。
他にも、バスの運転手さんと仲良くなり、ご飯に連れていってもらったり、
バスの中で話していた女の方がお菓子をくれたりしました。
朝、ゴミ捨てに外に出たときに、ちょうど通りかかった小学生が大きな元気な声で挨拶をしてくれて、ほっこりしたと同時に挨拶の大切さを逆に教えられてハッとさせられました。
また、島の中に人々が多く集まるお店があり、よく訪れていたのですが、行く度に様々な出会いがあり、様々なお話を聞けました。
時々お店の中でLIVEがあり、誰彼構わず円になって一緒に踊ったりしました。
ひとつひとつが偶然成りたった貴重な一瞬だと思いますし、なによりも島の人のやさしさや温かさがあったからこその出来事だと思います。
この二週間、色んな人に甘えてしまった自覚がありますが、受けた恩は受けたまま終わりではなく、自分も例えば違う誰かに、やさしさを循環させていこう、という意識を持ち続けたいと思います。

ひとりひとりの意識が生む地域活性。
きれいなスギラビーチ。思い出がいっぱい。

二つ目は、多くの人々が島のこれからを真剣に思っているという事です。
色んな形があれど、人々が島のことを大切に思っているのだなと感じました。ある方は、海が好きで海の美しさを維持するために漂流ごみを拾う事を続けていたり、ある方はイベントなどを企画したりして、人々を楽しまる工夫を凝らしていたり、ある方は、島のお気にいりの場所を持っていて、様々な島の楽しみ方を知っていて、それらを発信してくれたり、ある方は、人々が島の事を好きになってくれてもう一度来てくれるのがうれしいと仰っていたりしました。
また期間中、キカイ未来大学という大学にお邪魔して、講義を受けたのですが、テーマとしては「島の新しい観光地を作る」というものでした。
他の地域で空き地開発に携わっているゲストスピーカーの方が、講義をしてくれました。
この講義に老若男女多くの島の人が集まっていたのが印象的でした。
このように、自分の住んでいる地域の事を好きで、地域の在り方に思いを巡らし、島のためになることをしていこうという姿勢が素直に良いな、すごいなと思いました。
自分としては、喜界島のために自分に何ができるのかという正解は分かりませんが、喜界島の良さを一人でも多くの人に知ってもらうために、島キャンの活動をはじめとして外にどんどん発信することができますし、そういった要素も大事なのではないかと思いました。