島キャン実施レポート

帰りたいけれど1人では帰りたくない島

2018年夏 沖永良部島
NPO法人心音
8/15~8/28
慶應大学/法学部  楠りえ子
でもやはり帰りたくなる島
島で生きる子どもたちに居場所を提供する仕事
学習塾にて。

私がお世話になったのは、サランセンターという放課後デイサービスの事業所で、主に障がいをもった子供たちと一緒に勉強したり、遊んだりしました。そこで感じたのは、障がいをもつ子どもたちがなかなか知り合えない環境の中で、サランセンターが果たす役割がかなり大きいということ。島は都会よりも、障がいに関して理解が得られにくいことがある。また、子どもの数が少ないために、障がい児同士が集まりづらく、孤独感を感じやすい。そんなことを初日に伺いながらいざ働いてみると、学校や学習塾などの集団の中ではおとなしくても、サランセンターに来ると張り詰めていた緊張感がとけて、自由に動き回ったり、笑顔が増えていたりする生徒がいました。そこは、集団にいると疲れてしまう子ども達にとって、自分と同じような仲間がいて、落ち着ける居場所になっているように感じました。また、約10人の児童が通っており、持っている障がい、性格、家庭環境は大きく異なるものの、みんなが互いを認め合っていて、助け合っているという印象も受けました。なんだか子ども達に教えることよりも、教えられることの方が多い2週間でしたが、「自分」が出せる居場所を提供するという仕事を経験でき、普段のバイトとは違う意味で「働く」ことを実感しました。

知り合いだらけ
仕事終わりに、島キャン生みんなで内城小学校のお祭りに行きました。急遽ラムネ早飲み競争にも参加させてもらいました。

行く前から予想はしていましたが、改めて、島人同士のつながりの大きさに驚きました。8月は各小学校でお祭りがおこなわれ、お盆は家族でその年に不幸があった家に訪問し、体育大会は島の人全員が参加して、熱く競い合い…。島全体が大きな家族であるかのように感じました。昔は子どもの顔を見ただけで、親が誰かがわかったそうです。都会との一番の違いは、やはり地域での行事が多く、近隣とのつながりが強いことだと感じました。(余談ですが、島でドライブデートする時は、女性は後部座席に座って、知り合いに目撃されないようにするそうです。笑)

ガイドブックには載っていないえらぶの魅力
夜ではありません。(住吉暗川)

まず、島の人は決して沖永良部島を自慢しないこと。島人の口癖は「えらぶには何にもないよ~」。えらぶにしかない絶景や、えらぶでしか体験できないこともたくさんあるのに、他の島を褒めたり、島キャン生がえらぶを選んだことを不思議がったり…。島の魅力は島の人はなかなか気づかないのかもしれません。きれいな海や景色は当たり前すぎて、それが普通。なんて贅沢な考え方なんだ!島の絶景も食べ物も大好きですが、それ以上に島を自慢しない島人の魅力にひきこまれました!

次に、島全体が心霊スポットと言われているように、夜になると、なにやらこわ~い雰囲気がただよっていること。〇〇岬で夜写真を撮ると、うつっているとかうつっていないとか…。(笑)島の人に聞けば、かならずそういう話が二つ三つ出てきます。これもまた“えらぶならでは”の魅力です。ちなみに私は、そういった話を聞きすぎて、もう1人では島に行けなくなったので、島キャン生や友達と行きたいと思っています。

長浜館に掲示されていたポスターです。
農家の皆さんとバーベキュー!本当に美味しかったです。
よく言えばレトロな感じ、悪く言えば怪しい…シャワー室。時々電気がつきます。